ベータグルカンの生理的な機能について
ベータグルカンは、キノコやパン酵母、大麦の全粒粉などに多く含まれる多糖類です。
グルコースが主にβ1,3グリコシド結合により繋がったものを指しています。
キノコや酵母、全粒粉などは改めて科学的に研究するまでもなく古来より体に良い食材とされてきましたが、やはり科学的にどのような根拠があるのか気になるところではあります。
例えば免疫力を高めるとか、血中のコレステロール値を下げるといった生理的な機能があることが示されたりもしています。
しかし、考慮しないといけないことがあります。
まず、ベータグルカンは基本的には消化されず、小腸から体内に吸収されることもありません。
それがどのようにして機能を発揮しているのかはまだ分かっていないことが多いわけです。
また、この多糖類は化学的にみてただ一種類の化合物だけを指すわけではありません。
単純に考えても、いくつのグルコースがつながっているかによって機能は変わってくると考えられます。
10個なのか50個なのか、それとも100個なのかといったことです。
結合様式も、確かに主体となっているのはβ1,3グリコシド結合と呼ばれるものですが、中にはβ1,6グリコシド結合も持つものがあります。
どれくらいの割合で両者の結合がなされているかについても、化学的な性質を大きく変化させ、ひいては生理学的な機能を変えてしまうことになると考えられますが、これらについても定量的な研究は十分に行われているとは言い難い状況です。